杮葺
前回のブログで登山にハマっていると書きました。
相変わらず予定のない週末はだいたいどこかの山に行っています。
最近は大山に行くことも多く月に1回程度は大山近辺に通っています。
その大山には国の重要文化財に指定されている「大神山神社」という神社があり
社の一つである「奥宮」では数年前から屋根の葺き替えを含む様々な修繕工事が
行われています。
葺き替え自体は現在終盤に差し掛かっており、そんな中「屋根修繕特別拝観」という
工事の様子を拝観できるイベントがあったので興味が湧き参加してみました。
屋根の葺き替えは約30年周期で行っており今回の葺き替えは27年振りとのことです。
大神山神社の屋根は「杮葺(こけらぶき)」という1300年以上の歴史を持つ伝統工法が
用いられており、これは杉などを薄く割って板状に切り出した物を少しずつずらして
重ねながら竹製の釘で打ち付けていくという工法です。
実際に施工している様子を見れたのですが職人さんが竹製の釘を数十本まとめて口の中に
含みそれを1本ずつ口先から取り出しながら板を打ち付けていくという作業でリズミカル
かつスピーディーで見ていて全く飽きません。
そんな職人さんが数人掛かりで作業を行っても葺き替え工事は3年程度掛かるそうです。
昔ながらの工法で少しずつ進めていく姿を見ているととても感慨深いものがありました。
拝観終了後には約30年間屋根で風雨に耐えてきて今回撤去された古い「こけら板」を
記念品として頂いたのでお守りとして大切に保管しておきます。
次回の葺き替えはまた約30年後、その頃になってもまだ元気に大山に登っていられたら
その際にはまた拝観に訪れようと思います。
T.Y.