一人帰省
私の両親は実家の山口で二人で暮らしている。
親不孝な長男が実家に戻ることなく、岡山で暮らしていても
文句も言わず、二人元気に生活してくれている事を本当に有難く
思っている。
ここ数年、コロナ禍でなかなか実家に帰省が出来なかったのだが、
最近不意に両親が「終活」について話をしてきたり、
電話越しの声もなんだか疲れているように感じてきたので、
仕事で九州に行った帰り道、急遽、一人で実家に帰省してきた。
久々の家族だけでの食事。
折角なので終活の話でもしようと思った矢先、一枚の封筒を
渡された。
恐る恐る封筒を開けると、その中には最近父親が業界新聞に掲載された
記事のコピーだった。話を聞けば、定年退職してから10年以上続けている
農業関連の事業が評価されて表彰されたとの事。
すごく誇らしげに話をしていた。
帰りの日、いつもは一度も送迎なんかしてくれた事のない
父親が駅まで送ってくれた。
駅まで遠回りの道中にふと父親が「ここに新しい事務所が出来る予定なんだ。。。」と
教えてくれた。
なるほど、それを見せたくて送ってくれたんじゃな。
表情がすごく生き生きしていた。
まだ心配しなくていいよ。という事なんだろう。
ありがとう。
すごく短く、何でもない一人帰省ではありましたが、
リフレッシュ出来た一日でした。
T・K