真夜中の訪問者
前職で米子に住んでいたときのこと。
当時、レ〇パレスの2階の端の部屋に住んでおりました。
日本海には歩いて1分くらいの距離、隣には何もなく、まわりは外灯もほとんどない寂しい場所でした。
深夜1時頃、そろそろ寝ようと思ったとき、
「ピンポーン・・ ピンポーン・・・ ピンポーン・・ ピンポーン・・・」
と玄関のドアチャイムが鳴りました。
当時、現地の友人はおらず、ましてやそんな深夜にたずねてくるような人は絶対おらず。
(え、何?! 怖い・・・!!!)
そーっと電気を消し、気付かれないように出来るだけ静かにベッドにもぐりこみました。
その間も「ピンポーン、ピンポーン・・・ ピンポーン・・・」
ドア1枚隔てた向こうに、だ、誰か、知らない人がいる・・・
外は台風のように風がとても強くて、窓はガタガタと音を立てて鳴り、
一人ぼっちの私は、襲われる!殺される!と恐怖に震え、真っ暗な部屋で息を殺し布団にもぐりこむ。
部屋も外も真っ暗、まわりは日本海、逃げるところもない、頼る人もいない・・・
深夜に電話できるところ・・・そうだ、とりあえず家族に電話!
その間も呼び鈴は鳴り止まず、ピンポーン・・・ ピンポーン・・
「警察に電話し!!」と背中を押してくれて、恐怖の中、布団にくるまり、声を殺して、警察に電話。
声が震えてうまく話せない。
なんとか状況を説明したものの、警察を待つ時間はものすごく長く感じられました。
ほどなくして声が聞こえる。
「アサ◯ラさーん。アサ◯ラさーん。」
「警察です、出てきてくださーい」
い、いやだ!怖い!絶対いやだ!
警察とか言ってるけど、多分犯人だし!
「アサ◯ラさーん。」「大丈夫ですよー」
ん?
んん?
忍び足でドアまで行って、のぞき穴から覗いてみると、警察ふたりがそこに。
意を決してドアを開ける・・
「あ、アサ◯ラさん? これですね?」
と、ドアの隣に並んで設置している、水道メーターが入っているハコのドアを指さす。
ロックが外れている・・
そのドアが、強い風でバーンと開いた先にちょうどチャイムがあって、
ドアがバーン! → ピンポーン・・・
ドアがバーン! → ピンポーン・・・
正体はコレか・・・
やってしまった・・・
「今日ここ開けましたか?」
そういえば、その日水道の不具合で、水道局に電話して指示受けながら、メーター触ったわぁ・・・
ロックがしっかりかかってなかったんだ・・・
「開けました、スミマセン・・・」
こんなことで騒ぎ立てた自分が恥ずかしいやら、警察がふたりも来てくれたことが申し訳ないやらで、
スミマセン・・スミマセンでした・・・と警察の方に謝りたおしました。
みなさんも気をつけて下さいね!
H.A