みえてたもの
夜、車の後部座席で、ふと天井を見上げたときのこと。
外からの光が天井にうつり、車が進むのに合わせてぐるんっ、ぐるんっ、とまわって、なんだかとっても不思議な感じで…
思わずしばらく眺めてた、なんてことがありました。
そのとき、ふと思ったんです。
「これ、見たことあるな」
って。
私自身、長らく忘れていたことですが、
小さい頃の私(…たぶん、小学校低学年くらいかと思うのですが…)は、
その不思議な光の動きがお気に入りだったということを思い出しました。
昔、家族で遠出した帰りの車内、心地よい疲れのなかで
まるで生きてるみたいに、一定の間隔でぐるんぐるんまわる光の模様を
飽きることなく眺めてたな…と懐かしく感じて、思い出に耽ってみたり。
思い返してみると、こどもの頃お気に入りだった光景って、
結構あるんですよね。
前を歩いてる人が、規則的につけていく足跡の形とか。
夏のアスファルトに落ちる葉っぱの影とか。
なんでもない、当たり前の光景なのですが、
日常のなかでそんな小さなお気に入りを見つけることに
楽しみを見出してたような気がします。
でも大人になってからは、そういう風にいろんなものに
好奇心をもって目を向けることもなくなったような…
今はただ、そこにある「もの」を見ているだけで、こどもの頃もってた視点とは、明らかに違うような…
それってなんだか寂しいし、
昔の自分より楽しみが減った気がしてちょっと悔しいです。
せっかくの毎日だから、いろんなことに視線を向けて
あの頃の自分に負けず小さな楽しみを集めていきたいな
そんなふうに感じた、出来事でした。
M.K