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トリミング

みどりのきっぷ

 
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「蠍の火になりたいかい?」
 
手紙を書くときに用いますような、あの小さなボトルの中に満たされた深い海よりも深い藍色を一面に溢したようなそういった夜でした。
まだ蠍の火は見えない少し寒さも去りきらぬ春の頃。
 
水面にぽつ、と落ちた雨粒のような呟きは、独り言でありましょうか。
 
「私、あの蠍の火のあれは、偽善だと思います」
 
昔読んだあのお話を思い返しながらどうでしょう果たしてそんな大胆な考えを持てたでしょうか。
 
 
「自己犠牲の上に成り立つものが“ほんとうのさいわい”でしょうか」
 
どこか魚の小骨が喉へつっかえるような心持が致しまして、どうにも人の解釈というものはこうも違うものでして。
 
「そのように感じる貴方にとっては正しくそれは偽善なのでしょうねえ」
 
私にとっては正しくそれはこれこの瞬間までは他人事でしたように、人それぞれなのでしょう。
私が星廻りの旅に出かけることになったとしたら、きっとどこまでも行くことも石炭袋のあたりで降りることもままならず、きっと鳥を捕まえる彼の人のようにどこかで気付かぬ間に途中下車することになるのでしょう。
 
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文学作品というもの面白いものですね。
というわけで、実は最近になって読んだ宮沢賢治『銀河鉄道の夜』の私見というより簡単な感想を。
・・難しい。というか想像力による可能性無限。です、ね。。
 
・・・しかし、絵を描くということはちょっと怠ればすぐに衰えるものですね。
日々努力を怠ってはならぬということが身に沁みるのでした。
 
N.I

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